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野村不動産マスターファンド(3462)は、最大の総合型リート

野村不動産マスターファンド(3462)の説明会に参加しました。時価総額はオフィスビル特化型の日本ビルファンド(8951)、ジャパンリアルエステイト(8952)に次ぐ3位、資産規模は1兆円超、総合型リートとしては最大のリートとなります。

 

資産の内訳は、オフィス45%、商業施設18%、物流施設17%、居住用施設19%、ホテル他1%です。物件数は全部で288物件、平均築年数は18.5年です。主要物件は、新宿野村ビル(東京都新宿区)、NEC本社ビル(東京都港区)、ユニバーサル・シティウォーク大阪(大阪市)、野村不動産吉祥寺ビル(東京都武蔵野市)、Landport浦安(千葉県浦安市)、Landport川越(埼玉県川越市)、深沢ハウスHI棟(東京都世田谷区)、プライムアーバン札幌リバーフロント(札幌市)など。

 

予想分配金は19/8期3,182円、20/2期3,238円で、利回りは3.8%となります。年率2%以上の分配金の上昇を、内部成長(賃料アップ)で実現する計画です。保有するオフィスビルのレントギャップ(現在の賃料と周辺相場との差)は6%であり、テナント入れ替えや契約更新時に、これを埋めるべく賃料の増額を行い内部成長を実現させる意向です。

 

資産規模が大きい総合型リートであるため、一つのテナントが退去しても分配金が大きく減少することはありません。また保有物件が、オフィス、商業、物流、住宅などに分散しているため、各カテゴリーの好不調の波があっても、全体としては比較的安定した業績が見込まれます。ただし一方で、大きさ以外には、特徴のないリートとも言えます。三井不動産、三菱地所が、オフィスリート、商業リート、物流リートといったように各カテゴリーで上場リートを組成しているのに対し、野村不動産は、全部を合わせて規模で対抗できるリートに仕立てたといった感じです。

 

日本ビルファンド、ジャパンリアルエステイトに対して、80ベーシス高い分配金利回り(大手2社平均の分配金利回り3.0%に対して野村マスター3.8%)となっているのは、妥当な感じがします。

 

同社の投資口価格はここ2年程低迷していましたが、2018年2月の公募増資以降は、好調に推移しています。この増資により12物件を574億円で取得し(鑑定評価額605億円)したことが評価されたためだと思われます。取得物件の平均NOI利回りは4.3%、平均築年数は1.4年です。すなわちスポンサーの支援により(取得12物件中、10物件がスポンサー開発物件)、東京圏の築浅物件をまずまずの価格で取得できたことで、分配金の上昇につながったのです。16/8期以降の分配金推移は、3,036円、3,028円、3,037円、3,047円でしたが、増資後は18/8期3,084円、19/2期3,128円、19/8期予想3,182円、20/2期予想3,238円と増加します。

やはりリートにとっては、スポンサーと公募増資の成否が重要です。

 

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出所:SBI証券

 

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